VDOTを使って効果的な練習をしよう
「マラソンの適正ペースはどうやって決めたらいいの?」という質問を受けました。走りこんでいる人なら常にペース感覚があるものでしょうが、久しぶりのマラソンではよくわかりませんよね。そんなときに便利なVDOT(V.O2)というものを紹介したいと思います。
ちなみに、VDOTはブイドットと読みます。
VDOTは長距離走能力の指標
VDOTはジャック・ダニエルズ氏らによって開発された長距離走能力の指標です。これがわかれば、距離別の適正レースペースや練習の目標ペースを求めることができるという、大変便利なツールです。
詳細は書籍「ダニエルズのランニングフォーミュラ」を読んでいただくとして、ここではその使い方を説明します。
長距離走の持ちタイムを用意
まず、自分のVDOTを算出するために、直近の長距離走(3Kからフルマラソンのいずれか)の持ちタイムを用意してください。最近レースを走っていない場合は、5K タイムトライアルを実施して、そのタイムを使いましょう。
絶対に避けるべきは、持ちタイムの代わりに目標タイムを使うことです。サブスリーが目標だからと言って、マラソン2時間59分からVDOTを求めても、それは妄想の値でしかありません。それに基づいて練習を積んでも怪我するだけです。
VDOTを求める
それでは、早速VDOTを求めましょう。VDOT表から求めることもできますが、ここでは「V.O2 Calculator」というウェブサイトを使います。
- ブラウザで次のリンクを開きます。https://vdoto2.com/calculator/
- 「Event Distance」で、用意したタイムの距離を選択します。選択肢にないときは、「Other」を選択すると任意の距離を指定できます。
- 「Time」にタイムを「時:分:秒」のフォーマットで入力します。
- 最後に「Calculate」ボタンを押すと、「VDOT」が計算されます。
例えば、ハーフマラソンを選択して 1:30:00 を入力して計算すると、VDOTは51.0と表示されました。
VDOTから求めた適正レースペース
では、マラソンの適正ペースを見てみましょう。「Equivalent」タブを開きます。
「Marathon」の「Pace/Km」を見ると「4:27」となっています。これが、VDOT 51.0のランナーのマラソン適正ペースです。マラソンタイムにすると3時間7分40秒になります。サブスリーまでもう少しですね。
練習の目標ペース
次に、練習の目標ペースを見てみます。「Training」タブを開きます。
練習タイプごとにペースが設定されています。遅いほうから順に、Easy、Marathon、Threshold、Interval、Repetitionとなります。それぞれ頭文字をとって Eペース、Mペース…と呼びます。
さて、みんな大好き(笑)インターバルの目標ペースはIペースです。VDOT 51.0だと3分51秒。今までただ追い込むのがインターバルだと思っていた方、ぜひご自身のVDOTに基づいた練習ペースを意識してみてください。
以上、VDOTのご紹介でした。
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