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4月, 2012の投稿を表示しています

中小企業支援という名の犯罪

経営難におちいっている中小企業を再建させるための基金を整備するという報道があった( 中小企業支援にファンド活用 政府、再生機構と連携(日経) )。本来潰れてしかるべき企業を再建させるために国が力を入れるというのはとても残念だ。現行の「中小企業金融円滑化法」も一年前に終わる予定だった物を延長している。延長の理由がまたおかしく、「終了すれば多くの中小企業が再生できず、不良債権化してしまう」かららしい。再生できるところは自ら資金を集め、優良企業になっていくはずである。もはや、これは不良債権を隠しているだけで、日本の銀行の損失を隠していることにほかならない。新しい基金に2兆円〜3兆円もつぎ込むとしたら、これはもう犯罪行為ではないだろうか。

タッチパネル業界における変革の兆し

これはタッチパネルベンダーにとっては破壊的イノベーションとなるかもしれない。「 次世代「iPhone」、インセル型タッチパネルを採用か (CNET)」によると、次世代iPhoneでは、液晶パネルにタッチパネルの機能が組み込まれた「インセル型タッチパネル」が採用されるかもしれないとのことだ。 従来のタッチパネルでは、液晶パネルとタッチパネルは別々のモジュールになっている。液晶画面はディスプレイとしてのみ機能し、その上に重なる透明なタッチパネルがタッチセンサーとして機能している。 これまでは、液晶パネルとタッチパネルはそれぞれ別々のベンダーが設計・製造してきたが、これが一体型のものが製造されるようになると、コスト増につながるタッチパネルモジュール単体の価格が大きく下がることになるだろう。タッチパネルの価格はすでに下落傾向にあり、それに拍車がかけられることになれば、タッチパネル業界には大きなインパクトがあるに違いない。

教育と宗教は分離できるのか

今日、山手線車内のテレビを見ていると、「中学校でダンスが必修化・・」というニュースが報じられていて驚いた。「ダンスが必修科目となるため専門の指導員を確保する」というのだ。武道の必修化もあり、正直、文科省の迷走ぶりにあきれてしまったのだが、本題はそこではない。武道やダンスは政教分離の原則に反しないのだろうか、とふと思った。 歴史的にダンスは宗教活動に密接にかかわってきた。神事に踊りはつきものである。お祭りには踊りが欠かせないし、宗教行事を執り行う僧侶たちの動作にも一定の「型」がある。これも広義のダンスとみなせるだろう。 ダンスは、高揚する気分を抑えきれずに体を動かす人間の習性から発生したものだろう。気分が高揚した状態、いわゆる「ハイな状態」にあるとき、人は、「神が降りた」とか「神を見た」と言う。つまり、自然なダンスを踊っている状態は、神格的な「何か」とリンクしている状態と認識するのが自然なのである。 さて、日本国憲法には、「信教の自由」と「政教分離の原則」が明記されている(第20条)。条文には次のようにあり、少なくとも公立学校教育における、宗教的な活動が禁止されている。 国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない。 小学校の社会科で習う内容だが、よくよく考えてみると、「宗教と教育を分離することは不可能なのではないか」と思えるのである。なぜならダンスと宗教が重なる部分があるように、社会と宗教は密接につながっているからだ。国家も宗教団体のひとつと考えてもなんら不自然ではない。憲法を経典と読み替えれば、立派な宗教団体である。(憲法の中に「宗教」という言葉が出てくるところは、再帰になっているが。。) 教育と宗教の分離は世界的には一般的ではない。明治時代、新渡戸稲造がイギリスへ留学したとき、「日本には宗教教育なしにどうやって道徳教育をするのか?」と問われ、答えに窮したという。そこで考えに考えて出てきた答えが「武士道」である。中国の教育観も儒教が中心になってきた歴史がある。 ここまで書いてきて、やや考えがまとまらなくなってきた。 これは西洋と日本の教育観の違いのあらわれなのだろうか。西洋の教育が基本的に理性的人間を育成することに目的をおいているのに対し、日本の教育はもっぱら実学(読み書きそろばん)の技術を習得させることに重点を

新幹線の競争分析

私は将棋やチェスはヘタクソだが、ゲームとしては面白いと思っているし、ヘタクソながら詰め将棋を時々解いてみたりする。将棋のような対戦ゲームでは、相手を先読みできなければ勝利はおぼつかない。そこが難しいところであり、面白いところでもある。同じことが企業経営にも言える。競争環境の中で他社や市場の先を読みつつ、駒を進めていく。時には敵が予想外の手を打ってくることもあるし、「手を組もう」と言ってきたりする。私は、セールスに属する人間なので経営など考えることは無いのだが、セールスは最前線部隊なので、顧客や競合他社の生の情報が断片的に入ってくる。その情報をもとに「そこで何が起きているのか」について考えをめぐらせるのは、なかなか楽しいものなのである。 今日電車に乗っていて、ふと「鉄道会社の競争環境はどうなっているのだろうか?」と疑問に思った。鉄道会社といってもたくさんあるので、よく利用する東海道新幹線について考察してみることにした。新幹線なら路線も簡単でやりやすそうだった。 競争環境ということで「5フォース分析」を適用してみた。 競合業者間の敵対関係 新幹線は完全な独占事業なので競合する業者は無い。よって同業者間の競争はあまり考える必要はないだろう。 新規参入の脅威 新幹線にとって、新規参入の脅威はほとんどない。なぜなら、新幹線の参入障壁はきわめて高いからだ。新幹線開業のためには莫大な初期投資が必要となる。総延長1,000kmにものぼる線路の敷設し、車両、列車運行管理システム、駅舎、などなど。。。最低限必要なものだけでも膨大な額の投資が必要になることは明らかだ。 代替品・代替サービスの脅威 代替サービスとしては、飛行機、長距離高速バス、自家用車というところが脅威になりそうだ。特に長距離になるほど分のある飛行機は強敵だし、逆に、短距離になるほど長距離バスや自家用車が強敵になりそうだ。 そこで、スイッチング・コストの引き上げが必要になる。たとえば、それはグリーン特典や割引つきのエクスプレス・カードである。このカードは利便性も向上させた。スマートフォンやPCから予約することができ、何度でも予約変更ができる。そして乗車時には、切符を買い求めることなく、Suica同様、改札にタッチするだけでホームに入れる。その他には、速度向上による所要時間の短縮や、