最適なケイデンスとは?
最近、向かい風や上り坂など、高負荷時にはケイデンスを少し下げると踏ん張りが効くことを体感していました。先日の横浜トライアスロンでもそうで、向かい風のときに、ケイデンスを維持しようとすると、かなり軽いギヤを選択せねばならなくなり、大幅に減速する感じがしました。ところが、ケイデンスを下げてでも、トルクをしっかりかけてやると、減速は最低限に抑えられる感覚がありました。ヒルクライムでもケイデンスは平地より落ちます。それは脚が耐えられなくなるからではなく、そのほうが速く登れる感じがするからです。しかし、これは科学的に正しいのかどうか疑問でもあり、ちょっと考えてみたくなりました。
まず、要素をトルクとケイデンスとパワー(出力)に分けて考えます。ペダルにかかる力がトルク、ケイデンスが回転速度、そして、このふたつを掛け合わせたものが出力になります。出力が大きいほど高速巡航ができます。これは上り坂でも平地でも一緒です。
まず、トルクとケイデンスの関係を考えてみます。あるケイデンスでかけられる最大のトルクをプロットすると、おそらく、低いケイデンスのところにピークがあり、ケイデンスが高くなるにつれて下がっていくことが予想されます。人間も機械ですから、ケイデンスには上限があります。上限に達した時にはもはやペダルにかけられるトルクはゼロになるはずです。
ネットで調べてみると、まさにその通り。ただ、ピークはケイデンスゼロのときで、ケイデンスが上がるとともに、トルクは直線的に減少してある点でトルクはゼロになります。これは、ペダルが固まっているときには「全筋力と体重をペダルにかけることができるから」と、考えれば感覚的にも理解できます。ペダルが回っていると、脚の屈伸にも筋力を使うため、「ケイデンスが上昇するほど、ペダルに掛けられるトルクは下がる」ということなのでしょう。
次に、パワーとケイデンスの関係を調べてみます。パワーはケイデンスとトルクを掛け合わせたものです。そのため、先ほどのトルクのケイデンス特性を考えると、パワーはケイデンスゼロとトルクゼロ点でゼロになり、上に凸の二次曲線カーブを描くことになります。つまり、最大パワーを出せるケイデンスが存在することになります。
私の感覚では、最大パワーケイデンスは60rpm - 70rpmだと思います。ヒルクライムレースがこれくらいのケイデンスで登るからです。
「それなら、その最大パワーケイデンスが最適ということ?」と、早とちりしてはいけません。このパワー曲線はつねに全力でペダルを回したときのパワーを表しています。なので、最大パワーが出せるからと言って、そのパワーを長時間維持できるわけではありません。というより、このパワーは数秒くらいしか維持できないでしょう。最大パワーは、言ってみれば、人間の体が機械であることを前提としています。しかし、人間は機械ではないので、生理学的な特性を考えないと最適なケイデンスを探し出すことはできません。
バイクを走らせるときは、数十分から数時間、負荷に釣り合ったパワーを供給し続けることが必要です。これは当然最大パワーよりもはるかに低くなくてはなりません。すると、最大パワーケイデンスより低くいケイデンスから高いケイデンスまで選択することができます。そして、最近の理論では、高ケイデンスx低トルクを選択するのが、長距離を走る場合には(生理学的な観点から)適しているようです。一般的に、90rpm - 100rpm という値ということになります。
しかし、この最適ケイデンスは、あくまで無風の平地巡航用のものです。いつでも最適というわけではないことに注意しなくてはなりません。このケイデンスを維持して激坂を登ってみればわかると思いますが、スピードが落ちすぎてしまいますし、すぐにギヤが足りなくなってしまいます。
なぜか。それは平地とは負荷が違うからです。高負荷になればパワーを上げなければなりません。パワーを上げるには、選択できるケイデンス幅を狭める必要があります。究極は最大パワーケイデンスに収束します。つまり、高負荷時には最大パワーケイデンスに近づく方向にケイデンスをシフトしないと対応できなくなってくるのです。軽負荷時に高ケイデンスを選択していた場合は、ケイデンスを下げる方向に、軽負荷時に低ケイデンスを選択した場合は、逆にケイデンスを上げる方向で負荷に対応します。
重いギヤのままでも、低トルクを維持したままでも、激坂を上ることはできないのです。
さて、私はこれまで、スプリントの時には、加速前にシフトアップしてケイデンスを落とし、ケイデンスを上げることで加速していましたが、これまでの議論を考慮すると、これはやり方が間違っていることになります。正しくは、最大パワーケイデンスを維持するのが理想的ということになります。つまり、加速しながらも、シフトアップを繰り返し、ケイデンス70rpm前後を維持するようにしたほうが最高速をマークできると考えられるのです。今度試してみようと思います。
まず、要素をトルクとケイデンスとパワー(出力)に分けて考えます。ペダルにかかる力がトルク、ケイデンスが回転速度、そして、このふたつを掛け合わせたものが出力になります。出力が大きいほど高速巡航ができます。これは上り坂でも平地でも一緒です。
まず、トルクとケイデンスの関係を考えてみます。あるケイデンスでかけられる最大のトルクをプロットすると、おそらく、低いケイデンスのところにピークがあり、ケイデンスが高くなるにつれて下がっていくことが予想されます。人間も機械ですから、ケイデンスには上限があります。上限に達した時にはもはやペダルにかけられるトルクはゼロになるはずです。
ネットで調べてみると、まさにその通り。ただ、ピークはケイデンスゼロのときで、ケイデンスが上がるとともに、トルクは直線的に減少してある点でトルクはゼロになります。これは、ペダルが固まっているときには「全筋力と体重をペダルにかけることができるから」と、考えれば感覚的にも理解できます。ペダルが回っていると、脚の屈伸にも筋力を使うため、「ケイデンスが上昇するほど、ペダルに掛けられるトルクは下がる」ということなのでしょう。
次に、パワーとケイデンスの関係を調べてみます。パワーはケイデンスとトルクを掛け合わせたものです。そのため、先ほどのトルクのケイデンス特性を考えると、パワーはケイデンスゼロとトルクゼロ点でゼロになり、上に凸の二次曲線カーブを描くことになります。つまり、最大パワーを出せるケイデンスが存在することになります。
私の感覚では、最大パワーケイデンスは60rpm - 70rpmだと思います。ヒルクライムレースがこれくらいのケイデンスで登るからです。
バイクを走らせるときは、数十分から数時間、負荷に釣り合ったパワーを供給し続けることが必要です。これは当然最大パワーよりもはるかに低くなくてはなりません。すると、最大パワーケイデンスより低くいケイデンスから高いケイデンスまで選択することができます。そして、最近の理論では、高ケイデンスx低トルクを選択するのが、長距離を走る場合には(生理学的な観点から)適しているようです。一般的に、90rpm - 100rpm という値ということになります。
しかし、この最適ケイデンスは、あくまで無風の平地巡航用のものです。いつでも最適というわけではないことに注意しなくてはなりません。このケイデンスを維持して激坂を登ってみればわかると思いますが、スピードが落ちすぎてしまいますし、すぐにギヤが足りなくなってしまいます。
なぜか。それは平地とは負荷が違うからです。高負荷になればパワーを上げなければなりません。パワーを上げるには、選択できるケイデンス幅を狭める必要があります。究極は最大パワーケイデンスに収束します。つまり、高負荷時には最大パワーケイデンスに近づく方向にケイデンスをシフトしないと対応できなくなってくるのです。軽負荷時に高ケイデンスを選択していた場合は、ケイデンスを下げる方向に、軽負荷時に低ケイデンスを選択した場合は、逆にケイデンスを上げる方向で負荷に対応します。
重いギヤのままでも、低トルクを維持したままでも、激坂を上ることはできないのです。
さて、私はこれまで、スプリントの時には、加速前にシフトアップしてケイデンスを落とし、ケイデンスを上げることで加速していましたが、これまでの議論を考慮すると、これはやり方が間違っていることになります。正しくは、最大パワーケイデンスを維持するのが理想的ということになります。つまり、加速しながらも、シフトアップを繰り返し、ケイデンス70rpm前後を維持するようにしたほうが最高速をマークできると考えられるのです。今度試してみようと思います。
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