良い文章を書くための参考文献

良い文章(論説文)を書くことは,簡単なことではない.思いつくままに単語を並べても,決して,良い文章は出来ない.文章が長大になるほど,良い文章にすることは,より困難を極める.ちょうど,一軒家を建てるのと,ブルジュ・ハリファ(ブルジュ・ドバイ)を建てるのとが異なるように.

そもそも,良い文章とは何なのだろうか.それは,読み手が理解しやすい文章である.さらに言えば,良い文章は,書き手が伝えたいメッセージを,読み手が正確に理解できなければならない.読んでいる途中で生じる疑問には全て,文章中で答えていなければならない.最初から最後まで,順に読むだけで,すーっと理解できる文章,それが,理想の文章だ.

ところで,この文章は良い文章ではない.「理解しやすさ」を心がけてはいるが,まともに校正をしていないので,改善ポイントは山ほどあるだろう.見つけた方は,コメントで,自由に指摘していただきたい.ただし,修正するかどうかは,気分次第だが.

さて,ここで,良い文章を書くにあたって,大変参考になる文献を,二冊ほど紹介したい.

一冊目は,"The Elements of Style".

こちらは,英語の本なので,当然,英語文章の書き方に特化した内容になっている.しかし,そのエッセンスは,様々な言語にも,共通に使えるものばかりだ.極端な話,プログラミング言語にも応用できる内容になっていると,私は本気で思っている.この本は,どちらかと言えば,ミクロな視点に立っており,句読点の使い方や,明快な文章にするための注意点など,文章の最小単位を洗練させる方法について,詳細に書かれている.

二冊目は,『考える技術・書く技術』.

こちらは,コンサル会社の新人研修でよく使われる,定番の教科書として有名だ.この本に対する,アマゾンの書評を読むと,「文章の書き方の本なのに,この本自体が読みにくい」という,ネガティブなものが多いが,私はさほど気にならなかった.こちらは,マクロ寄りの視点で書かれており,良い長文を書くための,「設計方法」に詳しい.超高層ビルの建設には,入念な構造設計が必要なように,長い文章にも,しっかりとした論理構造が必要なのだ.

余談ながら,ここでも,私は,プログラミングと同じだと思ってしまう.プログラミングも,その規模が大きくなるにつれ,きちんとした構造設計が大切だ.このように,人間が作る大がかりなもの全てに構造が必要とされるのは,おそらく,人間の認知の特性上,必要不可欠なことなのだろう.

結局,プログラムも文章なのだ.使われている言語が,自然言語か,プログラミング言語か,の違いでしかない.そして,良いプログラムも,やはり,人間が読みやすいプログラムなのだ.なぜなら,プログラムは,保守の対象であることが多いからだ.将来,人が手を加えることになる可能性がとても高い.修正が必要になった時,担当者が読んで理解できるのと,できないのとでは,生産性に大きな差が生じる.さらに付け加えると,その「担当者」は,ほぼ確実に,プログラムを書いた本人なのだ.

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