生産性と成長性の関係

以前,生産性と成長性の関係について,考察してみた(羽岡哲郎ブログ: 成長性を高めるには生産性向上とともに市場の創造が必要).今読み返すと,何を言いたいのかよくわからないと感じている.そこで,もう一度,直感的な考察をしてみたい.

成長性
成長性は,総資本の増加率と定義する.漠然とした定義だが,直感的には妥当だろう.企業でいえば,自己資本,個人でいえば,純資産の増加率,ということになる.

生産性
生産性は,単位当たりの資本から生み出される付加価値である.

(生産性)=(総付加価値)÷(総資本)

生産性と成長性の関係
単位期間(例えば1年間)に生み出された付加価値の総和のうち,一部が資本として再投資される.総付加価値に対する,この再投資分の割合を(再投資率)とすると,次の式が得られる.

(資本増加分)=(再投資率)×(生産性)×(総資本)

この式の両辺を総資本で割ると,生産性と成長性の関係が得られる.

(成長性)=(再投資率)×(生産性)

したがって,再投資率が一定のもとでは,成長性は生産性に比例する.

ところが,日本のような成熟市場では,再投資率を一定に保つことが困難になってくる(はずである).たとえ再投資をしたとしても,高度成長期のころと同じだけの見返りを期待することはできない.成長性を持続させるためには,新たな投資先を開拓せねばならないのだ.このことは,前回指摘したことと同じになる.結局,生産性を上げるだけでなく,新たな市場開拓が必要なことに変わりはない.

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