ハードウェアを観察すればITの将来が見える

ITの世界では,ソフトウェアの進歩が与えるインパクトよりも,ハードウェアの進歩が与えるインパクトのほうが,はるかに大きい.便利なアプリケーションが豊富なスマートフォンは,GPSやバッテリー,液晶パネルなどの,様々なハードウェアの小型化と高性能化抜きには存在しえない.さらに,そのスマートフォンにユビキタスなサービスを提供するクラウド技術も,高速通信インフラと大規模なデータセンターがなければ存在し得ないし,そのデータセンターを支える高性能サーバー,高速ネットワークがなければ絵に描いた餅でしかない.ソフトウェアの発展は,ハードウェアの発展抜きに語ることができないのだ.

このような現実をみると,ITの今後を占うためには,ソフトウェアだけでなく,ハードウェアの発展に注目することが重要であると考えられる.そのためには,まず現状の分析をソフトとハードの組合せの観点で考えてみる.

「様々なソフトウェアが,どういうハードウェアの上で実現されているか?」
「別のハードウェア上で動かすことは可能か?」
「ハードウェアが進化すると,そのソフトウェアはどのような影響を受けるか?」

そういった視点で現状を分析した上で,ハードウェアに,今後どのような変化が起こりそうなのか,考えてみる.

「どのようなハードウェア技術が研究段階にあるのか?」
「その技術がどのようなインパクトを与えるのか?」
「世の中に眠っているハードウェアはないだろうか?」

こうして得られるハードウェアの変化を,ソフトウェアに結び付けて考えることによって,次にソフトウェアで起こる変化を,かなり正確に,予測することが可能になると考えられるのだ.

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