アービトラージについてまとめ
裁定取引(アービトラージ)について、よく理解してなかったことに気づいたので、ここでちょっとまとめておきます。 アービトラージとは、非効率な価格付けがされている商品間の取引を行うことによって、(理想的には)リスク無しに利益をあげることです。 例として、古典的な株式交換による合併を考えます。 1ヶ月後、A社がB社(双方とも上場している)の株式を3対5の比率で交換して合併することが分かっているとします。つまり、 (A社株3株の価値)=(B社株5株の価値) という関係になります。つまり、A社株価:B社株価=5:3 となるはずです。 ところが、A社とB社の現在の株価は 500円と200円となっているとしましょう。B社株は過小評価されていることになります。「ということは、B社株を買っておけば将来儲かるはず。。」と思いたくなるのですが、景気が悪くなって、両方とも株価が下がる可能性があるため、B社株を買うだけでは確実に儲けることはできません。 そこでどうするかというと、A社株を売る(空売り)のです。ここで大切なのは、その量です。株価比が5:3になったときに、ちょうど売り買いの金額が等しくなるように取引するのです。つまり、A社株3に対してB社株5の比率になります。 たとえば、A社株を 300株売って、B社株を500株買い、株価が適性価格になったときに反対取引(A社株を買い戻し、B社株を売る)をすると、適正株価比のときにちょうど差し引きゼロになるので、 150,000 - 100,000 = 50,000円 の利益を得ることができます。この利益は、株価が上がろうが下がろうが、両社の株価比が適性な比率になる限り、必ず得られるものです。つまり合併が成立する限り、確実に得られる利益なのです。 しかし、リスク無しに儲かることは誰もがやりたがるため、結果として、市場にはアービトラージの機会はほとんどありません。今では、アービトラージはコンピュータの仕事ですね。 似たようなものに、金と銀の価格比もありますね。ただし、確実な適性比率は無いので、リスク無しに儲けることはできません。