出力抵抗はIBISモデルから算出する
電子部品を扱っていると、CMOS出力端子のドライブ能力や出力抵抗について質問を受けることがたまにあります。通常、データシートには記載されていませんが、これについて、最近 IBIS モデルから簡単に算出可能であることを知ったので、記載しておきます。 ただし、私は IBIS の知識はほとんどゼロなので、ここに記載していることは正確ではないかもしれません。もし誤りに気づかれた方は、ご連絡ください。 IBISから出力抵抗を求める方法 IBISファイルを開いて(テキストエディタで開けます)、目的の出力ピンモデルの [Pulldown] セクションに飛びます([Pullup] でもいいのですが、ここでは [Pulldown]を選びます)。[Pulldown]の下には、空白で区切られた数値が一行につき4つ並んでいます。左から、端子電圧、端子に流し込む電流の Typ, Min, Max値です。基本的に、端子電圧を電流値で割ったものが出力抵抗ですが、電圧が大きくなると、線形性がなくなってくるので、なるべく電圧がゼロに近い正の値のところを使います。電流は基本的にTyp値を使用します。 例えば、 0.10 5.78mA 5.73mA 5.81mA という記述を使う場合は、電圧 = 0.10V = 100mV、電流 = 5.78mA (Typ) なので、 出力抵抗 = 100 / 5.78 = 17.3 オーム となります。 IBISからドライブ能力を求める方法 ドライブ能力を求める場合も、同じく[Pulldown]セクションを見ます。与えられるVOL(3.3V CMOSの場合には VOL = 0.4V)に対応する電流値(Max値)が、ドライブ能力です。 出力抵抗を求めたのと同じ IBIS からドライブ能力を求めると、0.4Vに対応する電流は 23.56mA だったので、おそらく24mAドライバと考えて良いと思います。 ちなみに、IBISを見るには、 HyperLynx Visual IBIS Editor が便利です。V-Iカーブもグラフに表示できます。 データシートの VOH/VOL 値からはドライブ能力は分からない データシートに記載されているVOH/VOL値の欄には、Test Conditionとして、I