「課題」と「問題」の違い

最近、「課題」の誤用をよく目にするので、「課題」と「問題」の違いについて、ちょっと書いておこう。

問題とは、『「あるべき姿」と「現状の姿」の間に許容できない差があること』である。
課題とは、『どうすれば問題を解決できるか』である。

例えば、日本の人口が減少して高齢化が進むことは、生産人口が「あるべき量」に満たない状況につながるから、大きな経済問題である。これに問題に対応する課題は、例えば、「どうすれば人口減を止めるか」だったり、「どうすれば生産人口の割合を保つか」というものになる。

つまり、問題とは状況であって、課題とは状況を変えるための「問い」である。問題には解を見つけることはできないが、課題には解を見つけることができる。したがって、問題を解決するためには、適切な課題を設定することが大切なのだ。

「課題」と「問題」、意識して使い分けたいものだ。

ちなみに、「課題」の誤用例を二つほどあげておく。

(誤)残された時間が短いのが課題だ。
(正)残された時間が短いのが問題だ。

残された時間が短いことは状況であって、問いではない。「残された時間が短いなかで、どうやりくりするかが課題だ」なら良い。

(誤)目標のパフォーマンスが出ていないことが課題である。
(正)目標のパフォーマンスが出ていないことが問題である。

目標のパフォーマンスが出ていないことは、まさに、あるべき姿と現状のギャップであるから、問題である。「目標のパフォーマンスに、どうミートさせるかが課題である」ならば正しい。

コメント

匿名 さんのコメント…
私も勉強中なので参考になりました。
吉永 智己 さんの投稿…
 今朝ある師匠が口にした事をきっかけに熟考してました。
 非常に分かりやすく参考になりました。
 シェアさせていただきます。

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