ライフログプロジェクトから感じる日本の弱点

最近,ひょんなところから情報が転がり込んでくることが多い.だいたいツイッターから入ってくることが多いのだが,今日も,ライフログ・サミット2010というのを偶然知って,「ライフログ」に関する研究が,情報大航海プロジェクトの一部としてすでに行われていることを知った.

このライフログ,自分の行動や発言などをこと細かく記録してくれるもので,その膨大なデータをもとに,いろんなサービスを提供しよう,というのがコンセプトにある.私は,こういうのが前から欲しいと思っていたのだ.ツイッターでかなり近いことができるが,まだ自分が能動的にアクションを起こさないと記録されない.

ライフログの利用法については,残念ながら,ライフログ・サミットのウェブサイトには,思いつきとしか言えないものしか書かれていないが,この忙しい現代において,いろんなことをとりあえず全部データベースにぶち込んでおいて,あとで必要な情報を検索出来れば大いに助かる.もう日記をつけるひつようも無いし,撮った写真を毎回アルバムに整理しなくても良くなるのだ.

とまあ,夢が膨らむライフログなのだが,どうもこのサミットはあんまり盛り上がっていなさそうな雰囲気を感じる.そもそも,この手の会合が,日経や政府主導で行われている時点で熱気などとは程遠い世界に行ってしまっているだろう.それに,まだサービスが普及してもいないのに,法律家が顔を出す時点で何かおかしいと思う.

このあたりの,スピード感の無さが,日本の弱点になっているのではなかろうか.

これがアメリカだったら,まず実現可能なところからサービスが登場し,ユーザーの増加とともに新しい機能が追加され,より使いやすい形に進化していく形態をとるだろう.グーグルしかり,ツイッターしかり.

法制度上も同じだ.アメリカでは,「法的な問題は起こってから対処すればいい」というスタンスだから,新しいことを始めやすい.これが日本だと,まず法整備から入ろうとするから,何事も遅々として進まない.それに,法のグレーゾーンが多すぎるので,合法と考えて事を始めても,後出しジャンケンで潰されることも多々行われてきた.

今日は,偶然ライフログプロジェクトが走っていることを知ったのだが,同時に,その将来性の無さも感じてしまった.やはりライフログも,ツイッター発展の延長線上にある可能性が高いと感じる.

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